リッツ線抵抗値

リッツ線構成の抵抗値は導体材質、公称径、単線本数、撚りステップの回数、撚りピッチ、追加工程の影響、の各独自の抵抗値で決まる。

単線抵抗値はエレクトリゾーラが提供しているテクニカルデータから入手可能。DIN EN 60317-11の手順に基づいてリッツ線の抵抗値が計算可能。

公称抵抗値=(公称単線抵抗値)/(単線本数)* k1

k1の因子は1.02で、リッツ線製造の撚り工程で短くなった長さを意味する。

最小抵抗値=(最小単線抵抗値)/(単線本数) 

最大抵抗値:

a)単線本数が25本以下の場合

(最大単線抵抗値)/(単線本数)* k1

k1の因子は1.02で、撚り工程で短くなった長さを意味する。

b) 単線本数が25本より多い場合

最大単線抵抗値)/(単線本数)* k1* k2

k1の因子は1.02で、撚り工程で短くなった長さを意味する。

 

k1          1束の場合                      is 1,02

              2束の場合                      is 1,04

              3束以上の場合              is 1,06

 

k2の因子は1.03で、断線発生を意味する。

 

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リッツ線外径

公称外径は撚り方法(直接、自由撚り/同心撚り)、撚りステップの数、ピッチ方向、撚りピッチ、選択した単線の公称径による。また、工程特有要因にも影響される。

リッツ線柔軟性、曲がり半径と巻線テンション-従属している径の安定性、公称外径は、定義づけられた測定方法の組合せ平均値と近い値になる。

撚ったリッツ線の公称外径はDIN EN 60317-11の以下公式により計算することができる。

1) OD = p * √n * d  +  繊維巻きによる径増加分

OD    撚ったリッツ線の公称外径

p    パッキング因子

n    単線本数

d    単線外径の公称値

 

(備考: 絹巻きの各層の径増加は約0.040mmになる)

 1) 単線外径の公称値はIEC 60317-0-1グレード1の被膜最大値の2/3を単線公称値に加える。繊維巻きリッツ線外径公称値は繊維巻きの径増加分をリッツ線最終構成(繊維巻き無し)に加える。

 各単線ワイヤの仕上外径の公称値は当社のテクニカルデータから入手可能。

  

 

パッキング因子
ワイヤ数因子
3 -121,25
161,26
201,27
25 - 4001,28

 

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リッツ線の銅断面積

単線ワイヤ断面積の合計がこの断面積結果となる。

ACu = n * π/4 * d2      

n   単線ワイヤ本数

d   単線銅線の公称径

 

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リッツ線の断面積

 リッツ線の仕上外径から断面積結果を計算。

Ages = π/4 * Da2            w        Da =  OD = リッツ線の仕上外径合計

 

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リッツ線充填率

線充填率はリッツ線構成の電気導電部分面積とリッツ線の総断面積の関係を%で示す。

充填率は公称単線ワイヤ径、撚りステップ数、撚りピッチ、ピッチ方向、被膜材料の厚みの選択や、他工程のパラメータの影響により決まる。

リッツ線充填率は以下の比率によりおおよそ決まる。 

ACu /Agesp

P は製品と工程の特定因子となる。

基本的に充填率は銅断面積が一定の場合、単線ワイヤが細いほど減少する。それはワイヤ間の空間とエナメル被膜の断面積が反比例して増加し、またリッツ線仕上外径と断面積も増えるためである。仕上外径が一定の場合も、銅断面積が逆に連続的に減少するため同様である。 

以下のグラフは銅断面積が一定の条件下での、単線ワイヤサイズを変化させた場合の関係(平均)を示す。

 

 

  

コンパクト円形リッツ線から四角形状にすることで、充填率を更に上げることが可能。以下グラフの緑ライン参照。

 

 

巻線の近接するワイヤ間を小さくすることでコイル充填率を更に上げることが可能。但し、単線0,100 mm (38 AWG)以上のサイズが適切であり、それは細いサイズで構成されたリッツ線は機械的ストレスに対して傷つきやすいためである。

 

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コイル充填率

 この充填率はリッツ線充填率とパッキング因子によって決まる。

 

ボビン充填率 [%] = (N x ACu,Li)/ASp  * 100       

 

N                      巻線数

ACu,Li              リッツ線銅断面積

ASp                  コイルの設計上巻線断面積


成型リッツ線及びスマートボンドを使用したリッツ線はより高い充填率で更に効果的である。 

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右手の法則

電流I は一直線の導体を流れ、磁界B を発生させ、磁力線は導体を中心周りにできる。一直線の導体を右手で握った時、親指の方向に電流I が流れ、回転磁界Bの方向が指先になる。また、Bを磁束密度とも呼び、磁界の強さHと材料透磁率µに比例する。

 

 

 

B = µ0 * µr * H = µ * H
µ0 = 4 π * 10-7 N/A2磁界定数、空間透磁率
µr比透磁率

 

 

 

 

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表皮効果及び表皮深さ

電流は導体の内部及び外部共に同心状に磁界を発生させる。以下図は磁界の強さHを示す。導体内の磁界配分は同心状と干渉するうず電流、つまり周波数f増加で断面積の外部表面に流れる電流、に影響される。導体表面からの距離、表皮深さが、電流密度を振幅値(以下参照)の1/e (e = オイラーの定数)で低下する。よって、測定抵抗値は周波数とその増加に影響され、つまり、導体加熱と周波数増加による追加電気損失が測定抵抗値となる。更に外部及び内部の近接効果も高周波損失の原因となる。

 

 

 

 

 

表皮深さ  δ = 1/√(π * µ0 * б * f) 

 

 周波数 δ (銅)
 10 kHz 0,66 mm
 50 kHz 0,30 mm
 100 kHz 0,21 mm
 500 kHz 0,094 m = 94 μm
 1 MHz 0,066 mm = 66 μm
 10 MHz 0,021 mm = 21 μm
 100 MHz 0,0066 mm = 6,6 μm

 

 

 
µ0        磁界定数、空間透磁率
б          導体材料の導電率
f           周波数

 

簡易公式は 最小導体の1/3以下及び平角線の1/4以下の場合の表皮効果に適用される。

 

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外部近接効果

変位電流の効果は、近接導体及び他電気的要素の外部交流磁界によっても影響される。

表皮効果により誘導されたうず電流とは対照的に、外部近接効果は導体中心に回転対称ではない。理由はその交流磁界は外部電流によって発生しているためである。そのため影響される導体のどんな場所でも殆ど同じ方向になる。そして、うず電流は抵抗値増加となる抵抗損の原因となる。うず電流を発生させる必要なエネルギーが外部電流の磁界からもたらされる。このように外部からの磁界と渦電流により、近接する導体材料には更なる高周波損が発生する。

 

 

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内部近接効果

リッツ線の単線(撚り線)の交流磁界はうず電流により近接する単線に損失を発生させる。磁界は撚り線の内部に発生していることから、これを内部近接効果と呼ぶが、公式には表皮効果に属するものと見られる。以下の図を参照。結果として、リッツ線の電気損失は周波数増加に伴って大きくなり、場合によっては同じDC抵抗値の単体導体の損失を超えることもある。

例として、以下の図は近接する単線間電流の不均一分布を示す(電流密度は赤から青に減少)

  

 

この効果は、リッツ線には単導体よりも損失が低くなる周波数最適範囲があることを示している。この範囲外でリッツ線などの複数線を使用すると、かえってマイナス効果となってしまう。

 

よって、高周波損を考える場合、表皮効果及び近接効果は最も重要である。ここでは内部及び外部近接効果の方が支配的である。特定周波数では、ほとんどの場合リッツ線にするだけで損失を減少できる。単線の撚り数、単線径、撚りステップ数、撚りピッチ、撚り方向などの構成条件は、各アプリケーションにより決定される。同じく、各単線がリッツ線断面内部での位置を安定的にしなければならない。リッツ線はエナメル単線の組合せにより高周波リッツ線と呼ぶことができる。

 

 

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単線径と周波数範囲との関係

高周波リッツ線の設計、構成から得られる電気的性能は多くの要因に依存する。異なった設計で似通った性能になることもあるが、経済的で安定的に製造できるリッツ線を設計するには経験が必要とされる。よって単線径の正しい選択は各アプリケーションの重要な検討項目である。

以下表は推奨単線径と周波数範囲の関係を示す。

  

周波数 [kHz]

単線公称径  [mm]

fromtofromto
0.0610.4000.254
1100.2540.200
10200.2000.127
20500.1270.102
501000.1020.079
1002000.0790.063
2003500.0630.050
3508500.0500.040
85014000.0400.030
140030000.0300.020

 

 

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高周波リッツ線損失の計算

高周波リッツ線損失は様々な各損失の累積と、各リッツ線アプリケーションの稼動条件による。従って、簡単な公式計算などは不可能で、詳細な理解と様々なツールが必要である。

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Rac/Rdc比

周波数が増加すればするほど、電流は導体表面側を流れる。交流抵抗RACは直流抵抗RDCに比べ上昇する。抵抗値が上昇することで抵抗損失が増え、高周波では直流損失さえ超える。

RAC/RDC率は交流抵抗と直流抵抗を基準化し(RAC/RDC ≥ 1)、リッツ線の高周波性能を示す。RAC/RDC率は殆どのリッツ線構成タイプに対し十分な精度で測定及び計算ができ、1-12の各周波数範囲に要求される。単線寸法の正しい選択に加え、リッツ線構成設計は同じぐらいに重要な役割である。

以下のグラフは、同じ銅断面積で5種類のリッツ線構成の周波数RAC/RDCトレンドを示す。周波数の増加、単線径大きさの選択により、交流抵抗及び高周波損失が増加する。1 MHzの場合、50 µmの構成が最適な結果であるが、RAC/RDC率は1.29で最適な値1.0よりまだ高い。

この例の場合、改善の最初のステップとして、より小さな単線径及び/もしくは最適な撚り構成を選択する。

 

 

 

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コイルQ値

品質係数(Q)は電気的及び機械的な振動における損失の少なさを示す。(1)例として、高いQ値は共振回路の蓄積エネルギーの損失が低いことを示し、振幅はより緩やかに減少する。高品質のベアリングにつるされ、空気中にある振り子は高いQ値を示すが、オイル中では低いQ値となる。 

(1) Wikipedia定義

空芯コイル(インダクタンスL)、コンデンサー(キャパシタンスC)、抵抗値(R)の電気振幅回路では、Q値は振幅エネルギーの合計と振幅当りエネルギー損失の関係で測定できる。
高品質システムの重要な特性は、高いQ値(QCoil)のコイル使用である。
コイルの基本的な損失要因はコイル抵抗値RL,Coilである。抵抗値は表皮効果と近接効果により、周波数で増加する。

 

One has:

QCoil  =   ~  f * L / RL,Coil (f)  とともにf = 周波数 [Hz]  
L = コイル インダクタンス [nH]
RL,Coil = コイル抵抗値[Ohm]  

 

例として、単層平面コイルの概算

 

 

                                           

 

 

 L = Lplanar  = (21,5 * N2 * 2a) / (1 + 2,72 * w/2a)   とともにw = 巻線部分の幅 [cm]
a = 平均半 [cm]
N = 巻数    

 

 

様々な要因がお互いに干渉し、コイルQ値の周波数依存性につながる。    

それらとは特に:

 

周波数 f:

コイルQ値は周波数の増加と共に上昇し、ある地点で高周波損の反比例的上昇により減少する。リッツ線の構成(単線数、公称径、撚り長)による改善は可能である。

 

インダクタンス L:

Q値はインダクタンス増加(巻数Nなど)で上がる。コイル抵抗損失RL,Coil増加のマイナス影響が高周波効果を補う。コイルの自己キャパシタンスは巻数増加で上がる。

 

抵抗値 RL,Coil: 

コイル抵抗損失は導体断面積の合計ACuに依存する。RL,Coilの減少は最初はQ値の上昇につながるが、高い周波数では高周波損失が高くなりQ値を大きく減少させる。リッツ線構成(単線数、公称径、撚り長)によりQ値の改善は可能である。

以下のグラフは12巻数、スマートボンドで、構成が異なる平面コイルのQ-値の傾向を示す。

りピッチを減らす( SL=10mmグラフ赤線)ことで、Q値を周波数範囲全体で上げることができる(撚りピッチSL=26mmグラフ青線と比較)。特定周波数範囲でQ値を上げる必要がある場合(例えば150 kHz以下)、巻数を増やしコイルインダクタンスLを上げることで、長い撚りピッチのままで十分である(例、12から17巻数)。Q値はその周波数範囲では上げることができるが、高周波になると急速に下がる(グラフ青点線と赤線比較)。

 

 

 

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